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Column

Professional Golfer:Yuka Shiroto 白戸由香

2014/08/14

Meeting a Professional Athlete - Interview with Yuka Shiroto vol.7プロアスリートに聞く - 白戸由香選手インタビュー vol.7

  1年間、試合に出ることができる出場権があるのに、予選を通過できない。予選落ちが続く中、ようやく一度、予選を突破したかと思ったら、再び予選落ちの日々。

 「しんどかったですよ。出てることもしんどいのに、やめるという選択肢もできなかった自分がいて。休めばいいのに、休む勇気もなくて… でも全部結果出るでしょ、スコアとして出るじゃないですか。で、まわりのみんなは『すごいね』って。ある人には『俺だったら辞めちゃう』って。でもそのときは、出ないと不安なんです。出てもいい結果でないのも分かる(笑)そうやっていたときもあった」

 頭も体も一年中「パンパン」だった当時。乗り切ることができたのも、「親からもらった体力」のおかげもあったが、「その中にいて、やってることが当たり前」だったと語る。

 「そうしてないと自分でいられないんですよね。でも『自分って何?』っていう、いつも葛藤…」

 アイデンティティーを模索しながら、先の見えない不安を乗り越えてゆく。素人には想像することしかできない、プロスポーツの厳しい世界。生まれ変わってもスポーツの道を選ぶかと白戸選手に問うと、しばし間をおいて「スポーツ以外は考えられないかもしれないですね」と答える。

 「基本、貧乏性なんですよね、私。動いていないと、多分死んじゃう。だから動くっていうのが、スポーツがそうなのかな。それを仕事として考えてるかもしれない。だから仕事がスポーツじゃない自分って、ちょっと想像がつかないんですけど」

 体力や身体能力だけでなく、性格上の適性も無関係ではないのかもしれない。

  「私が知り合った中で、すごいリスクを先に考える人がいて、そういう考えもあるんだって。でも私は、そこは考えられない人だから。まずトライすることが自分だなっていうのがあって。トライした先にできなかった、できたっていうのがあっても、トライしないで終わっちゃうっていうのはないな。人生で後悔はしてないです。忘れちゃうのも得意なんです(笑)」

 ほがらかに語る白戸選手のゴルフと向き合う姿勢にも、時と経験を重ねるうちに変化があった。


(続く)


 

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